祖谷の旅館でお客さんに出す料理と言えば、昔から「でこ廻し」、「祖谷そば(今はそば雑炊)」、「豆腐」、「こんにゃく」、「アメゴやアユ」と決まっていた。それほど貧しい地区だった訳である。 ゴシイモとはじゃがいもの一種で、これと豆腐、こんにゃくを串に刺して囲炉裏に刺して味噌を塗ってあぶって食べる、いわゆる田楽。・・・でこれが郷土料理とされているのだけど、アマゾンの配達も届くようになった現在では、もう家庭で食べるものではなくなったようだ。それとて作物の乏しい山間の村の「華やかな料理」であったことは間違いあるまい。そしてこういった質素な料理の方が、昔からの日本酒には合うのである。
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「くるくる廻しながら炙るのを人形浄瑠璃の「でこ」に見たてた名前である。」
くるくる廻しながら炙るのを人形浄瑠璃の「でこ」に見たてた名前である。
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