南予といえば「じゃこてんぷら」である。一昔前は「宇和島はじゃこてん」、「八幡浜はかまぼこ」の土地で、宇和島市内では魚屋さんごとにてんぷらの味が違い、学校帰りの買い食いにそれぞれにひいきの店があったと聞くが、今はかなり集約されたのかもしれない。 骨や皮まですりつぶしているので独特の触感があり、「魚を食べた」気分になれる練り物である。普通のじゃこてんはいろいろな雑魚のミックスだが、わけても「はらんぼ(ホタルジャコ)」のすり身オンリーでつくったものは、値段もちょっとだけ高いが旨いらしい。 もちろん地元では昔から家庭料理の万能製品、ソウルフードとして浸透しており、麺類の具にするのはもちろん、味噌汁や酢の物や、家庭によってはカレーにまで入っているということである。ちなみにじゃこてんにカレー粉をまぶしてフライにすると旨いという調理法が昔からあり、ひょっとすると徳島県のソウルフード「フィッシュかつ」(20番珍味)はこのパクリではないかという噂もあるが、うかつにそんなことを言うと伊予阿波戦争が勃発して血の雨が降るかも知れず、表沙汰にはなっていない模様である(笑)。
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「加工商品として売られているものは焼き直して大根おろしと食べるのが、今の料理屋さんの主流となっている。」
加工商品として売られているものは焼き直して大根おろしと食べるのが、今の料理屋さんの主流となっている。
「しかし、どうころんでも揚げたてのあつあつをかぶりつくのが一番旨い。」
しかし、どうころんでも揚げたてのあつあつをかぶりつくのが一番旨い。
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