四国の山間部には古くから広く『田楽』を食べる風習がある。『田楽』とは、いわゆる「味噌田楽」のことで、豆腐に味噌を塗って串にさして炙って食べる、農村ならではの料理である。ヘルシーなイメージもあり、最近は都会でも専門店がチラホラ出来ているようだ。ただ、山深い四国では、上品な豆腐と言うよりも、野趣溢れる里芋やこんにゃくを使用して、囲炉裏の周りに刺して焼くことが多い。祖谷の『でこまわし』などが良い例である。
ここ内子五十崎地区の『田楽』は、四国では珍しく豆腐以外は一切使わないとのことである。味噌は、いりこを潰して混ぜる特製。4月頃の祭事の時期を中心として、各家庭で作るらしい。今でも毎日の家庭料理の主菜として普通に食べられている料理。
|
「豆腐だけのでんがく。味噌が香ばしい。」
豆腐だけのでんがく。味噌が香ばしい。
|