エソとは日本中の海で底引き網にかかるいわゆる「雑魚」「外道」である。固い小骨が多いためにすり身にするしか料理のしようがない魚である。身はかまぼこにするのであるが、捨てられる「皮」をわざわざ竹に巻いて焼きあげたのが「皮ちくわ」である。廃物利用なのでタダ同然に思われるが、小さい魚から皮だけを剥がして何枚も何枚も巻き付けて作るので案外と手間がかかり、すでに高級品である。高級品なのでかぶりつくわけにもいかず、竹からはずして上品に頂く。 普通の竹輪とはまったく異質の噛みごたえがする。なかなかの酒の肴である。
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